世界の新語から紐解く令和の 4 年間
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公開講座

開催日時 2023年11月18日 10時30分 ~ 12月16日 12時00分
開催場所 九州大学伊都キャンパス・イースト1号館2階EC203会議室
アクセス JR九大学研都市駅~昭和バスで15分
参加費 1,000円
定員 35名
募集期間 2023年9月1日~2023年10月31日
主催者 九州大学大学院言語文化研究院
お問い合わせ 九州大学人文社会科学系事務部総務課庶務第二係 092-802-6307
関連リンク 九州大学ホームページ(外部リンク)
関連ファイル 世界の新語から紐解く令和の 4 年間 チラシ

内容

コロナ禍、戦争、世界的な物価高。
元号が平成から令和へと変わるのとほぼ時を同じくして、世界はその在り方を大きく変えました。
そして、社会と言葉は不可分であり、急激な社会の変化に伴い数多くの新語が生まれました。
「三密」、「人流」、「おうち〇〇」、「ウェビナー」、「チャット型 AI」、等、こうした新語はそのまま新しい時代のキーワードにもなり得ます。
本講座では、本研究院所属の教員が、専門とする地域で生まれた新語を紹介しながら、それぞれの地域の激動の四年間を振り返り、展望します。
第1回:11月18日(土)10:30-12:00
蔦原亮(九州大学大学院言語文化研究院 准教授)
「スペイン ― -fobia 何を嫌い、恐れるのか―」
Aporofobia, turismofobia, yatrofobia 等、ここ数年、スペインでは -fobia (フォビア)という語尾の言葉が急激に増えました。
この語尾は「嫌悪・恐怖」を表すものです。
本講義ではこの数年の間に生まれた -fobia のつく語を概観し、現代のスペインに生きる人々が、何を嫌い、恐れているのかを考えます。
第2回:11月25日(土)10:30-12:00
西あゆみ(九州大学大学院言語文化研究院 助教)
「英語圏 ―Intersectionality 交差する場所から問う―」
近年、英語圏では #MeToo 運動や Black Lives Matter 運動などを経て、複数の権力関係が交差する状況を表す “Intersectionality” (交差性)への関心が高まっています。
本講義では、この語の背景や議論を紹介するとともに、多様性や包摂に関連する新しい言葉や代名詞の用法の変化についても取り上げます。
第3回:12月2日(土)10:30-12:00
倉方健作(九州大学大学院言語文化研究院 准教授)
「フランス ― iel 「性」を選ばないという選択―」
文法上の「性」が強く意識されるフランス語では、「私」は常にどちらかの「性」に所属することを強いられます。
この講義では、そうした伝統的な文法規則がLGBTQの意識が高まる近年問い直されている様子を見ていきます。
第4回:12月9日(土)10:30-12:00
呉修喆(九州大学大学院言語文化研究院 助教)
「中国 ― 润(rùn) 日常的実践としての離脱―」
激しい競争を繰り広げる中国社会の様相は、近年、しばしば「内巻(nèijuǎn,インボリューション)」で表現されます。
一方、過度なストレスを忌避し、「躺平(tǎngpíng,寝そべり)」というスタンスを選ぶ若者も増えてきました。
本講義では、関連する新語・流行語を紹介しつつ、第三の選択と言われる「润(rùn,離脱)」について考えます。
第5回:12月16日(土)10:30-12:00
佐藤正則(九州大学大学院言語文化研究院 教授)
「ロシア(ソ連)―”быт”(ブィト)破壊の対象か、建設の場か―」
ロシア革命後のソ連では、”быт”(ブィト)(日常生活)という言葉がにわかに注目され、この概念をめぐって知識人たちの間で活発な議論が展開されました。
この議論を手がかりに、ソ連に生まれた新たな世界観の諸相について考えます。